カフェを営むことは
新たな町の風景と
地域に住まう人々の賑わいをつくること。
福島県浪江町。「Jyubako Cafe namie(住箱カフェ浪江)」がある場所は、JR浪江駅に隣接した徒歩1分の場所。スノーピークと隈研吾氏がデザインした木のトレーラーハウス「住箱」を活用したメンバー制のコワーキングスペース「ナミエシンカ」が見えてきます。
ナミエシンカは、浪江町と住友商事が運営するコワーキングスペース。どなたでもメンバーになることができ、デザイン性の高い家具やアートに囲まれた施設は、すべて無料で利用することができます。
また、浪江町での起業や新たな事業を支援するプログラムや、スタートアップの成長を支援するプログラムだけでなく、浪江町の進化に関わるさまざまな人々のあたらしいチャレンジを応援していく場所です。「住箱カフェ浪江」へのチャレンジも、その1つ(シンカプログラム)として、浪江町と住友商事が支援をしているものです。
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オーナーは、かつて浪江町の中心部として栄えた新町通りで、おむすび専門店「えん」を経営する地元浪江町出身の栃本あゆみさん。浪江町に関わるさまざまな人たちが集まる「住箱カフェ浪江」の中心にいます。
「浪江町を取り巻く環境は、日々変化をしています。特に、ふるさとの海のことはいつも気がかりで、小さなことでも力になりたいと考えています。そこで、支援いただく皆さんと相談しながら、「住箱カフェ浪江」を通じてできることに取り組んでいます。」
「例えば、常磐もの(請戸もの)。地域自慢のブランドだけど、今は大変な状況。それに、まだまだ使われていない美味しい魚だってたくさんある。それを浪江の皆さんが愛情込めて育てるお米や農産物と一緒に、フロードロスだったり、環境への悪影響だったりをなるべく減らせるカタチで、ひとつのお皿で提供できないか。そんな思いから生まれた最初のメニューが「スープカレー」でした。」
「オープンから1年弱、スープカレーの提供を続けていく中、もっと地域の皆さんや訪れる人に、手頃な値段やカジュアルなスタイルで食べていただくものが提供できたらうれしい。そう考えるようになりました。そこで、サポートしてくださる皆さんと相談して、一旦スープカレーをお休みし、新たに「ホットドッグ」を提供することになりました。」
「もちろん、可能な範囲で、常磐もの(請戸もの)や町の農産品を使ったメニューを開発しました。例えば、特産品のシラスとニンニクを使った『浪江シラスとサムライガーリック』は、浪江町でしか食べられないイチオシメニューです。」
浪江町限定 浪江シラスとサムライガーリック
人気店の「えん」を切り盛りする彼女が、なぜ「住箱カフェ浪江」にも同時にチャレンジしているのか。
「浪江町は、原発事故で人口がゼロになった経験を持つ町です。マイナスからのまちづくりというけれど、シンプルに考えれば、未来しか見えるものはないんです。サポートしてくれる皆さんのおかげで、魅力ある町をつくっていくことだけに集中できています。浪江町の皆さんにも、あたらしいチャレンジをしたいと考えている皆さんにも、わたしの頑張る姿を見てほしいと思っていますし、一緒にチャレンジする仲間をひとりでも増やしたいと思っています。」
浪江町で取れる豊かな地のもの。
「常磐もの」と言われる豊かな海からの恵みだけでなく、いまの浪江町は、さまざまな農産物の生産にもチャレンジをしています。生産者の皆さんのサポートも得ながら、お米、たまねぎ、長ネギ、にんにく、えごまなど、浪江で収穫された豊かでおいしい作物を使ったメニューを提供しています。
そんな「住箱カフェ浪江」の運営にチャレンジする彼女を支えるため、個性的なサポーターが集まっています。
ハイエンドなアウトドア製品の開発・製造・販売を展開するアウトドアブランド。
人生を構成する5つのテーマ「衣食住働遊」に沿って、現代社会が抱える課題に対して、様々な事業で取り組んでいる「スノーピーク」。プランニングからブランディングまで、ブランドの世界観を感じられるカフェづくりを行っています。浪江町で取れる豊かな地のものを始めとした、地域の魅力や食文化を深掘りし、「住箱カフェ浪江」を通じて発信しながら、地域活性化もサポートしていきます。
あらゆる事業を手掛ける総合商社。
ナミエシンカの運営を行う「住友商事」が、「住箱カフェ浪江」というあたらしい事業にチャレンジをするオーナーに対し、食材や資材の調達から、新たなモデルづくりなど、必要なサポートを提供しています。また、ナミエシンカが持つ、起業直後の悩みや事業運営の課題に答える相談窓口の機能提供でも、蔦屋書店で有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブの皆さんと共同でサポートしています。
水素というエネルギー。
「水素で沸かしたコーヒーが飲めるのか」。住民の方から寄せられた、素朴で本質的な「問い」から、水素の利用がはじまっています。「住箱カフェ浪江」で提供されるおいしいコーヒー。このコーヒーを淹れるために使用する電気は、水素から創り出された電気を使っています。その仕組みづくりと運営は、住友商事とご当地ヒーローの水素ウーマンがサポートしています。
お米でできたプラスチック。
浪江町には、お米から作ったバイオマスプラスチック「ライスレジン®︎」を製造する「バイオマスレジン福島」があります。カフェで使用されるプラスチック製品の多くは、「住箱カフェ浪江」のSDG‘sパートナーである「バイオマスレジン福島」とのコラボレーションから生まれています。大切な恵みを、あらゆるカタチで。
浪江でチャレンジする新しい酒蔵。
自由でオープンな日本酒づくりを行う「haccoba」は、おとなり南相馬からスタートし、地域と共に歩みながら、地域の垣根を超えた活動をされる先輩です。浪江町にあたらしい蔵を立ち上げられたことを機に、「住箱カフェ浪江」でも貴重なお酒をたのしむことができるように。
町の状況や変化のスピードに合わせて、しなやかに進化を続ける「住箱カフェ浪江」。浪江で採れる 豊かな地のものを使ったホットドッグを 水素で沸かしたコーヒーや個性溢れるドリンク、米の旨味を感じる日本酒とともに、豊かな恵みに感謝をしながら、地域のみなさんと一緒に、ゆっくりといただく。そんな日常を浪江町の「住箱カフェ浪江」から。
「Jyubako Cafe namie supported by Snow Peak Local Foods」
あなたのお越しを、心からお待ちしています。