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【レポート】:「地方×起業」 農ライフ思考で地方を変える -人口320人の村が3万人を引き寄せる農業ビジネスの軌跡-

昨年10月よりスタートした浪江町の事業者の皆さんを支援する事業化支援プログラム「Sprout Program(新芽プログラム)」。

本プログラムの一環として、提供するイベント「地方×起業」シリーズは、起業に関する有益な情報を発信するトークセッション。今回は、2024年第2弾!!


2月22日(木)  東京都千代田区大手町のMIRAI LAB PALETEにて、広島の限界集落「田万里町」の米農家出身で、 農ライファーズ株式会社代表・井本喜久氏にご登壇いただきました。



-ゲスト-

農ライファーズ株式会社 代表 井本  喜久 (いもと よしひさ)氏


-モデレーター-

MIRAI LAB PALETE Community Manager 鎌北 雛乃 氏


■トークテーマ

① 農業ではなく農ライフで起業した意味

② 農村の暮らし・歴史・文化の価値を見出す「農ライフ思考」

③限界集落に年間3万人が訪れ全国の数倍の価格で農泊する理由

④ 質疑応答セッション

⑤ネットワーキング交流会



【当日のトーク内容】

当日のイベントでは、井本氏が農ライファーズの立ち上げ経緯や、彼が提唱する「農ライフ思考」について、そして2023年に広島の「田万里町」で展開された「田万里屋」における限界集落再生の取組みについてお話をいただきました。


井本氏は、広島県の限界集落である田万里出身であり、東京農業大学を卒業後、広告業界でのキャリアをスタートさせました。26歳のときに起業し、様々な企業のブランドづくりに携わっていました。2014年に奥様ががんと診断されたことをきっかけに、「人がなぜがんになるのか」という疑問を持ち始め、その中で、「食」や「ストレス」などの因果関係に着目し、特に「食」の重要性を強く感じるようになりました。そして、数多くの農家を訪れることで食の源に触れ、農ライファーズの前身である農コミュニティ「The CAMPus」を立ち上げました。その後、2022年に「The CAMPus」から「農ライファーズ」に改称し、農村での起業を志す人々を支援するプロデュース事業を展開しています。



同社のミッションは、「世界を農でオモシロクする」というものであり、農という文化価値を中心に据え、農村での生業創造と社会貢献に力を注いでいます。このミッションを実現するために、同社は3つの取り組みを展開しています。


「農ライフデザイン」では、農ライフに関するニュースやイベントを通じてコミュニティを拡大しています。これにより、農村での生活に興味を持つ人々が交流し、新たな価値を創造しています。

「起業サポート」では、農村で起業したいビジネスパーソン向けにオンラインスクールを提供し、起業を支援しています。このプログラムでは農作物の育て方ではなく、農作物の売り方を先に学ぶ切り口の授業を伴走で実施しています。「農村事業プロデュース」では、田万里町で実施している事業を通じて地域の再生と観光振興に取り組んでおり、ここでは地元の資源や文化を活用した施設や体験プログラムが展開され、地域経済の活性化に貢献しています。



井本氏から同社が提唱する、「農ライフ思考」については、「無い」ことに囚われず、「在る」ことに目を向けることが根本となるとお話頂きました。自然との共生を大切にし、過去の生活様式や文化から学びを今日の生活に活かしていくことが農ライフの重要な要素とし、井本氏自身も都会の喧騒から離れ、農村での生活が自らにとっての生きがいであることを実感されています。「無い」を悲観することではなく「在る」を見つけ、良い未来を目指して突き進むその素晴らしさと楽しさを参加者へ伝えていただきました。


最後に、「農村事業プロデュース」における、田万里町での取り組みについてもお話いただきました。田んぼの真ん中にある空き家をリフォームし「田万里家」名付けられた店舗にて、米粉ドーナツの専門店とファームステイ事業を展開されています。


米作りが盛んだった田万里町の田んぼを活用した米粉ドーナツ専門店は、地域の特産物であるお米を使用した創作ドーナツを提供しています。通常のお米の単価255円/kgをドーナツにすることで5830円/kgにする事ができ、お米の価値の再生と地域の魅力を引き出す取り組みとなってます。味はもちろんデザインにもこだわったことで、毎週末行列ができる人気店となり、開業最初の3カ月で計画の3倍売り上げ2000万円を達成。年間平均で月2400人が訪れる観光スポットにもなっています。

 

ファームステイ事業では通常の農泊の10倍の価格にも関わらず、週に3組以上が農泊されているそうです。高額な宿泊料金にもかかわらず、多くの人々がこの体験を求めて訪れる理由として、井本氏は「面白いものや素晴らしい品質には地域価格はない」と考え、宿泊者への体験をプロデュースし自信をもって田万里町での農体験と感動を提供されています。これらの取り組みは地域の活性化に大きく貢献しており、農ライファーズの地域再生への取り組みは広く注目されています。


全体を通して井本氏の明るく前向きなお話しや姿勢は、都市部のビジネスパーソンの参加者の背中を押す内容となり、農村や限界集落の可能性について有益なアドバイスとなりました。



イベント動画はこちらから






【ご紹介】

◇井本 喜久(農ライファーズ株式会社 代表取締役)

広島の限界集落「田万里町」の米農家出身。東京農大を卒業後広告業界へ。

26歳で起業。  コミュニケーションデザイン会社を創業し、様々な企業のブランディングを手がける。 

2014年 、妻がガンになった事をキッカケに健康的な食に対する探究心が芽生え農家を巡るようになる。2017年、「世界を農でオモシロくする」 をテーマに農コミュニティ「The CAMPus」をスタート。

全国の成功農家の情報をワンコインの有料ウェブマガジンとして発信開始。

2020年、小規模農家の育成に特化した「コンパクト農ライフ塾」を開校し、2年間で200名以上の卒業生を輩出。2021年、長野県伊那市と連携し農村に移住者を増やすための研修プログラム「INASTA」を始動。2022年、農林水産省からの委託事業として、農村への関係人口を増やすための研修プログラム

「複業村の農X」を始動。同年、限界集落再生を農業と観光で行っていく取組み「TAMARIBA PROJECT」を本格始動。 同年、The CAMPusの屋号を「農ライファ―ズ」に改め、農的暮らしを探求する人々が集う日本最大級のコミュニティを始動。     



鎌北 雛乃(住友商事)

Z世代のコミュニティマネージャー。学生の頃からジャンルを問わないコミュニティ活動に参画し、20歳の時に仲間と共に起業。まちづくりに自ら深く関わるため、人口7,000人の町に移住し、観光事業、情報発信事業、コンサルティング事業、コミュニティスペース運営などを行ってきた。2019年より住友商事が運営するオープン・イノベーション・ラボMIRAI LAB PALETTEにジョイン。現在、コミュニティーメンバー同士のコミュニケーション活性化、マッチング、コミュニティ形成や活性化のためのプログラム企画・運営、PR活動などに挑戦中。


リアル会場は、住友商事(ナミエシンカ運営管理者)が東京都大手町にて運営する

会員制のオープンイノベーションラボ「MIRAI LAB PALETTE」で実施しました。


【ご案内:Shinme Program(シンメプログラム)】

Startup Program “神馬” / アントレプレナーシップ講座

スタートアップ起業の成功確率を少しでも高められるようにスタートアップ特有の事業開発手法や資金調達の考え方などの基礎情報を体系的に伝える、全24回のオンライセミナー。

詳細はこちら 

Sprout Program “新芽”

地域課題×社会課題から世界に誇れる浪江町を共創するプログラム。

詳細はこちら


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shinme@namieshinka.jp 【ご案内:ナミエシンカ】


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ナミエシンカ

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